今回の訪朝で、以前と変わったところを挙げてみると、平壌大劇場の正面に高輝度のディスプレイが装備され、平壌の夜景に色を添えるようになったことであろうか。平壌大劇場は、「ピバダ歌劇団」が公演を行うことで有名な、歴史のある劇場だ。
滞在中、「花を売る乙女」の公演を平壌大劇場で見た。劇場内は9割くらいの人の入りだった。2月後半でまだ寒かったが、暖房は入っていなかった。街のあちこちで模様替えが行われ、経済回復が実感できるなかでも、エネルギー事情はかなり厳しいということだろう。そのような状況の中でも、地下道のLED照明や電球型蛍光灯の導入など、科学技術を生かして、生活の質を落とさずにエネルギー消費を抑制する政策が採られている。
その他の変化といえば、平壌市の楽浪区域、統一通り市場の大同江畔の区画に「クムガン通り(KKG Avenue)」というホテルを中心とした一連のサービス施設が建設されようとしていることだろうか。「金剛経済開発総会社」という会社が施工主になっている。
案内人の話によると、香港資本だそうだ。開発予想図を見ていると、大同江の中州である羊角島にまで橋を架けるなどかなり大規模な開発になるようだ。この完成予想図のうち、どこが建設されるのかははっきりわからないが、実際に工事は始まっており、ダンプや重機が動いていた。平壌の人たちにとっては、このような大型の投資案件が動き始めていることが、経済の回復基調とも相まって、自信につながっているようであった。
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