今回の訪朝の帰り、平壌~瀋陽間で国際列車を利用した。現在、平壌発の国際列車は中国・北京行きが週4便とロシア・モスクワ行きが週1便運行されている。
北京行きは月、水、木、土曜日の10時10分に平壌を出発し、翌日の08時29分に北京に到着する。
平壌発月曜と木曜が朝鮮鉄道の車両で中国製の中国鉄道25K型相当で空調用ディーゼルエンジンを搭載したエアコン付き車両(ただし暖房は石炭)を利用している。水曜と土曜は中国鉄道の車両で、ドイツ製(旧東独)の18型車両を使用している(エアコンなし)。一般的には上級寝台(軟臥)と一般寝台(硬臥)がそれぞれ1両だが、多客期には平壌~丹東間で朝鮮鉄道の寝台車が1両増結されることもある。いずれも、各国内では国内列車に併結される。
モスクワ行きは土曜日の10時10分に平壌を出発し、翌週の金曜日の17時57分にモスクワに到着する。ロシア鉄道の車両で平壌~瀋陽間は平壌発北京行きの国際列車に併結され、瀋陽駅で一晩過ごした後、北京から来るモスクワ行き国際列車(中国国内ではK19)に併結され、モスクワに向かう。
今回は、水曜日発の列車を利用したので、中国鉄道の車両だった。各車両の乗降口に立っている乗務員(中国人)にきっぷを見せて車両に乗り込む。中国人らしくないからか、中国語で「朝鮮人か」と聞いてくるので、「日本人だ」と答えると、「日本人!!」と絶句していた。日朝関係がこんなに悪化しているのに、平壌に来ている日本人は珍しいのだろう。今回、軟臥車の4人用コンパートメントに同席したのは、中国・河南省からやってきたエンジニアの2人連れだった。
平壌駅を10時10分に出発した、「赤旗号」電気機関車牽引の国際列車は、平壌市内では比較的ゆっくり走るが、郊外に出ると時速80キロくらいで走るところもある。平壌を出た列車は途中、新安州、定州、宣川、塩州に止まり、新義州には15時15分に到着することになっている。
昼食時には、久しぶりに食堂車を利用した。久しぶり、というのは、コンパートメントに同席する人が朝鮮人だった場合、たいてい大量のお弁当(おかずとご飯、ビール、焼酎etc.)を用意していて、高い食堂車なんかに食べに行かずに一緒に食べよう!と誘ってくれるからだ。
食堂車は国内列車との境に連結されていて、どちらからでも来ることができるようになっている。メニューは定食が5ユーロだ。鶏肉、魚のフライ、豚肉料理、野菜料理など5品で、キムチとご飯、スープが付く。味は素朴で結構美味しい。ただ、車両の整備状況が悪いせいか、中国鉄道の車両よりはよく揺れた。この日は、以前食堂車で食事をしたときよりも速度を上げて走っていたようだった。
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