2008年3月25日、上海での会議の翌日、出張日程が一日空いてしまった。せっかくの機会なので、今までいったことのない南京に「和諧」号(CRH-2)に乗って行くことにした。
上海から、南京までは鄭州行きのD86次列車に乗った。南京止まりの列車のきっぷが売り切れで、切符売り場の人が「鄭州行きならある」というので、寝過ごす危険性があるものの(次の停車駅は185キロ先の安徽省・蚌埠)、行けないよりはましなので、切符を買った。中国の列車は主要駅では5~10分くらいは停車するのだが、「和諧」号は日本の新幹線並みの1分停車とか2分停車なので、列車を降りるのも一苦労だ。
和諧号は8両1編成で、2編成併結して16両で走ることもある。当初は1等車が1両、2等車が7両(半室のビュフェ含む)で構成されていると伝えられていたが、1等車の需要が高いらしく、2両になっていた。
1等車の窓配置は日本のE2系1000番台のグリーン車と同じ配置なのだが、後から増設した1等車は2等車と同じ窓配置で、シートピッチも若干狭いようだった。座席は日本のものと同じだが、カーペットが敷かれていなかった(本物の1等車はカーペット敷き)。
上海を出た列車は、市内の線路をゆっくり走り、郊外に出ると急に速度を上げた。最高速度200キロだと思っていたのに、250キロで走る区間が若干あった。無錫から先の区間は、160キロくらいで走る区間が多かった。在来線を高速運転させるので、あちこちの駅で貨物列車や一般の旅客列車を追い越した。途中の工事現場で徐行したため、10分程度遅れたが、遅れはそのまま回復することなく、10分遅れで南京に着いた。ダイヤ編成には相当の無理があることを感じた。
南京駅では、整然と並んで降りる人を待っている乗客の列が見られた。他の列車で見られるような押し合い、へし合いをしていては、2分停車で乗降が完了しない。日本の駅の新幹線ホームには、乗車位置を知らせる表示器が設置されているが、中国の駅には全くそういうものがない。ではどうやって人々は並んでいるのだろう。その秘密を、南京駅で見た。
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