2008年5月、中ロ国境の旅(その9)

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市場では、ミネラルウォーターやチョコレートなどを買い、ホテルまで散歩がてら歩いて帰った(実は近かった)。朝早くから活動したので、一休み。日曜日の残りはのんびりと部屋で過ごした。夕食はホテルの1階に入っている居酒屋(といっても日本風のではなく、ブラッセリー)で食べた。ビールをジョッキで4杯と料理数品であわせて800ルーブル(約4500円)ほど。恐ろしく物価が高いと思った。

翌、月曜日はホテルのチェックアウト時間までにしないといけないことがある。外国人登録だ。土曜日にチェックインした際、このホテルでは外国人登録ができないので2泊しか泊めてあげられないと言われたのだ。

朝食後、オフィスが開いたところで作戦開始。ホテルのフロントに行って、外国人登録をしてくれるように頼んだ。ところが、ホテルでは外国人登録はできないとの一点張り。何か他に方法はないのかと尋ねると、フロントの係員は警備員を呼んだ。どうも、私をどこかに案内しろと言っているようだった。

警備員に案内された向かった先はホテルの事務所。外国人登録をしてやっていいかどうか尋ねている様子。結局、この部屋でも問題は解決せず、別の部屋へ。次に案内されたのは支配人室だった。支配人とおぼしき女性が、「困ったなぁ」という顔をして警備員と話していた。何か名案でも思いついたのか、急に表情が明るくなった。案の定、警備員は私を別の事務所に案内してくれた。

事務所では、英語を話す係員が、「外国人登録手続ができる」と断言した。「ただ、今日中にできるかどうかは分からない」とのこと。翌日出発予定だった私にとっては、それは致命傷となる。「今日できないなら、今日出国しないといけない」と私が言うと、「何とかしてみる」との返答。ところが、登録料金として500ルーブル(約2300円)いるという。これまでロシアのホテルで外国人登録料金を取られたことがなかった私としては衝撃的な宣告であったが、背に腹は代えられないので、500ルーブル払う。その代わり、領収書を作成してもらった(実は、ここはホテルの事務所ではなかったことが後で判明する)。

外国人登録ができるということが分かり、少し安心したが、次にホテルの宿泊期間の延長をしなければならない。警備員に連れられてフロントに戻る。警備員がこれまでの経緯をフロントの係員に話すと、1泊の延長が認められた。前金を払い(カード決済だが)、書類に訂正をしてもらう。

これでとりあえずウスリースクにもう一泊できることになった。次は、ウスリースクを出る足を確保しないといけない。ホテルを出て、バスターミナルに向かう。

バスターミナルで国際バスの切符売り場を探す。延吉行きは国内線の切符を売っているカウンターで販売していた。延吉まで1460ルーブル(約6600円)、高い。延吉からウスリースクまでは300元(約4500円)しないのでロシア発の方が高く設定されている(これはそんなに珍しいことではなく、福岡~釜山のジェットフォイルだって日本発は13000円、釜山発は95000ウォン(ちょっと前までは約9500円、今は約6000円になってしまった)である)。



チケットを手に入れることができ、とりあえず一安心。バスターミナルの近くの惣菜屋で昼食をとった。テイクアウトの惣菜屋さんだが、テーブルがいくつかあり、食べていくこともできる。サラダと魚、パンと紅茶で130ルーブル(約600円)。

昼食後は昼寝。朝から忙しくしたので疲れた。午後4時半、業務終了まで少し余裕を残し、外国人登録をお願いした事務所に行く。



500ルーブルの高額料金のおかげか、外国人登録はもうできていた。担当者と話すと、ここの「旅行会社」では、ビザの招聘状の発行など、いろいろな業務をやっているとのこと。担当者の机上には中露辞典がおいてあった。中国語も話せるとのことだった。結局、ホテルの支配人がホテルの事務所棟に入っている旅行会社を紹介してくれたことが判明した。

外国人登録が済んだので、今度は市内へ。ホテルの近くには(Nekrasova str. 59)日本円を両替できる銀行がある。ウスリースクの他の銀行では日本円の表示が出ていない(ドルとユーロはある。後は日本円か中国元のどちらかの表示がある銀行がちらほら)。ウスリースクまで来ると、日本の影響力は減退し、代わりに中国の影響力が強くなるようだ。



銀行の隣には、Megumiという名前の、日本雑貨を扱うお店があった。シャンプーやリンス、食料品、日用品といろいろな日本の商品が売られていた。値段は当たり前のことだが、日本の2~3倍くらい。100円ショップなどで売っている商品だと4~5倍するものもある。





店内に入ると万引き防止のためか、カバンをロッカーに預けて、その後商品を見ることになる。カードも使えるので、雑貨店というよりは日本商品ショップ、という感じだろうか。インテリアも割合垢抜けていて、おしゃれな感じがした。ロシア極東における日本のイメージはこういう感じなのかな、と思った。中国市場が中国のイメージを代表しているとすると、かなり差があるなと思った。

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